2021年1月16日
日本の首都はどこでしょうか?
その通り!東京です。
でも以前からずーーーっと東京が首都であったわけではありません。
東京の先代の首都こそが京都なのです。
東京という名前も「東の京都」から来ています。
そもそも「京」も「都」も首都の意味を持つ漢字なので京都がどれほど日本の根底にあったというのも分かりますよね。
ちなみに東京都は東京府と呼ばれていた頃もあったそうです。
そんな京都には京町家という名前の民家とお店の融合したような建物がたくさんありました。
nao炬乃座(なおこのざ)の町家も京都市より正式に京町家認定を受けた京町家です。
昔ながらの建築法や歴史と文化が備わっている京町家と町家には実は違いはありません。
今回はそんな話を深掘りしながら京都の町家のお話しをさせていただきたいと思います。
京町家とは京都に存在する町家の総称となります。
昔の京町家は家とお店が一体になっており、住みながら商売をしていました。
よく時代劇の城下町をイメージして頂くと分かりやすいかと思います。
そのように京都の大通りに沿って道路に面した1階部分をお店とし2階や1階の奥座敷を生活圏にしていた歴史があります。(逆に2階を宿泊施設にして1階が住宅スペースにしている町家もあります。)
なので日当たりの良い道路側の反対側は奥まっており町家通しの距離も隣接して建設されていましたので、日が当たらないようになってしまい「鰻の寝床」と称されています。
ただ真っ暗というわけにもいきませんので奥に坪庭を作ったり、天窓を作る事で奥まった間取りでも日当たりの良い住宅にしていたのです。
ちなみに先ほどお話した通り京都の町家を京町家と呼んでいるだけで町家との違いはございません。
京都にある町家もあれば江戸にある町家も存在しています。
滋賀や奈良の方にも町家自体は存在しているのですが、そちらの方は民家としての特色が強く土地も広い為、町家と古民家が同じような意味合いになっているケースも少なくありません。
実際、京都の人ですら京町家を古民家と言ってしまう事もある為、違いはあるにせよきっちりと明確に違いを説明するのは難しくもあるのです。
現在では京都市が京町家認定を行っておりますのでそちらを参考に判断してみてもいいかもしれません。(もちろんnao炬乃座(なおこのざ)も京町家認定を受けています。)
町家に関して更に深掘りしていくと定義としては町人の住まう家とあります。
もしくは商人ともありますが、とにかく初めにご説明させていただきました通り、店舗併用住宅というわけです。
少し前に古民家と町家がごっちゃになっているケースもあるとご説明させていただきましたが、昔はお店をしていた町家が家として利用するようになり周囲からは古民家という風に認識されていったという事が多いみたいです。
なので本質的には町家でも時間の流れや住む方のリフォームの度合いにより町屋は古民家に変わったり、通常の住宅になったりと変化していくのです。
そう考えれば昔の形を残すことが如何に難しく貴重な物という事がお分かりいただけるかと思います。
町家は管理者がいなくなってしまう事が多い為、そのまま取り壊されたりまったく違う建物に作り変えられてしまう事が増えてきています。
時代の流れですので仕方のないことではありますが、できれば日本の町家と京町家が今の時代にうまくフィットして生き残る道があればと切実に願うばかりです。
nao炬乃座(なおこのざ)ではそんな京都の昔ながらの歴史と文化を詰め込んだ貴重な建物を上手く時代に共存させながら次へと繋いでいくために宿泊施設として現在は営業させて頂いております。
そういった観点から全室禁煙とさせて頂いており、火を使った調理もお断りさせて頂いております。
お客様には何卒ご協力を宜しくお願い致します。
町家の間取りは京町家を含め、「鰻の寝床」というように称される事が多いとご説明させていただきました。
基本的には多くの町家が密集しており1個1個は奥に細長い間取りとなっております。
なので天窓や吹き抜けの坪庭で太陽の光を取り入れたり火袋(台所に高い天井を作り、炊事の際の熱気や煙を逃がしたり、火事の際には周囲への延焼を防ぐため火を閉じ込める役割を持つ仕組み)などの様々な技術を応用して日頃の生活を快適にしていました。
火袋はnao炬乃座(なおこのざ)別邸梅小路にもございますのでご宿泊の際にはぜひ見てみてください。
町家には坪庭(中庭)が併設されていることがほとんどです。
nao炬乃座(なおこのざ)のどの町家でもこれは見ることができます。
坪庭とはその名の通り、1坪程の広さのお庭で多くの場合には居間から眺めることのできる中庭の事を言います。
日本庭園のような広大な敷地に大きな池というような豪華なものではありませんが、それぞれの町家の特色が出て味わい深いものも多くなっております。
今では観葉植物を置くぐらいのご家庭が多い中、じっくりゆったりと坪庭を眺めながら自然を屋内で満喫できるのも町家の魅力です。
復習になりますが、町家の定義とは店舗併用住宅となります。
商売をする古民家とお考え頂ければ分かりやすいかと思います。
京町家認定を受けるのであればもっと細かく厳正な審査が必要ですが、大まかな定義はそれぐらいの認識で十分かと思います。
住居としながらお店をしている古民家=町家〇
以前はお店として営業していた住居用の古民家=町家〇
昔から住居のみの古民家=町家×
昔からお店のみの建物=町家×
というような感じです。
但し今は住居として利用しておらずお店として営業している場合も町家となりますので結構ややこしくはあります。
あってないようなものですが、あると言えばある。
そんなフレキシブルな定義でも文化として京都ではしっかりと根付いているのでやはり京都人の心に残る文化なのだと思います。
京町家や町家についての違いについて今回はご説明させていただきました。
何となくでもお分かり頂けましたでしょうか?
京町家の魅力は何といってもその歴史と文化が肌で実感できることにあります。
今ご説明させていただいた事がピンとこない方でもお越し頂ければ「あぁ!こういう事か!」というような気づきがあるかと思います。
実際に京町家の空気や温度、湿度や匂いなどの五感を刺激する感覚は口頭では説明することができません。
またこのコラム内で説明した事は町家の魅力や歴史と文化のほんの一部です。
例えば網代(あじろ)という天井の編み込み模様には部屋の格式や目的によって変わります。
町家の守り神の鐘馗さん(しょうきさん)という町家の瓦屋根の上からちょこんと見守ってくれる(沖縄で言うところのシーサー)神様もいらっしゃいます。
今回は京町家や町家の定義という部分にフォーカスしてご説明させていただきましたので上記のようなお泊まり頂きながら目で楽しむ文化も町家には色々と存在しています。
もし京都へ旅行される際にはぜひnao炬乃座(なおこのざ)へお泊まり頂きこういった京町家の魅力を存分にご堪能頂ければと思います。
またお近くにお越しの際は見学して頂くことも可能です。(要予約)
町家には興味あるけどいまいち踏み切る事ができない方や一度雰囲気だけでも見てみようかな?という方がいらっしゃればお気軽にお申し付けください。
京都のnao炬乃座(なおこのざ)は京都と京町家に興味があるあなた様のご連絡を心よりお待ち致しております。
※nao炬乃座(なおこのざ)ではコロナウィルスの感染予防対策もしっかりと行っております。
アルコールスプレーの設置も行っておりますし、一棟貸切のため他のご宿泊者様との接触もございません。
その他ご質問やご不明な点等ございましたらお気軽にご相談くださいませ。