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京の宿日記

町家の間取りと現在の家の間取りはどう違うの?

2021-04-28

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別邸麩屋町間取り

以前はマイナス金利等により一時期マイホームを持つことが流行りだしたのは記憶に新しいかと思います。

私の知り合いや職場の方々も何人か家を建てる事を検討していたり、既に建てている方もいます。

そして皆様口をそろえて言う事が間取りへのこだわりです。

大抵の場合は数十年、もしくは永住の城となるわけですから間取りにこだわるのは当然かと思います。

子供の事や自分の将来に照らし合わせて間取りを考えるのはワクワクしますよね!

というわけで今回はそんな間取りのお話しです。

現在の家の間取りと町家の間取りはどんな違いがあるのかをご紹介させていただきます。

 
 

間取りとは

大宮五条邸間取り

そもそも間取りとはどのような意味を持つのでしょうか?

一般的に間取りとは住宅の部屋の配置の事を指すようです。

玄関やリビング、キッチンに寝室や物置やクローゼット等をどのように配置するかというのが間取り決めですね。

建売住宅の場合には1LDK(エルディーケー)、マンションなら1R(ルーム)や1K(ケー)というような名称で予め部屋数と設備が決まっています。

1LDKは1部屋にL=リビング、D=ダイニング、K=キッチン。

1R=ルームはそのまま1部屋

K=ケーも1部屋にキッチンがついている間取りです。

数字が部屋数でそれぞれのアルファベットの組み合わせでどういう設備があるのかが分かるようになっています。

なおリビングやキッチン、寝室をワンフロアに連続性を持たせて配置したり、離れのような特殊な造りなどは数字やアルファベットでは表記しきれない場合もあります。

なので一概に数字とアルファベットだけでは分かりづらいのが現状なので間取りの把握は図面(間取り図)と実際に部屋に訪れる方がいいでしょう。

快適性の鍵は如何に自身の生活スタイルに合っているかが重要となってきます。

これは建売でもフルオーダーでも同じ事が言える間取り選びの鉄則です。

 
 

町家の間取りについて

別邸梅小路間取り

町家の間取りについては当時の背景が強く影響しています。

というのも町家(特に京町家の場合)は玄関が狭く奥まった位置に建てられている事が多く「鰻の寝床」と称されています。

これは当時の税に関する問題があるそうで町家の玄関の間口大きさにより税率が変化したそうです。(諸説あり)

町家は間口が狭く奥まった位置にある事から既に特殊な間取りになる事は容易に想像できるかと思います。

構造上、光が入りづらく湿気やすい町家はまさに鰻の寝床になるわけですね。

その問題を解決するために町家には坪庭がついている事がほとんどです。

坪庭を設置する事で太陽光を取り入れ、風の通り道を作る事ができます。

また町家は玄関から坪庭へ一直線になっている間取りになっている事が多くそれが室内の湿気を外へ排出してくれ間取りになっているのです。

奥まった位置に存在すると言っても程よく明るく奥の方では広い場合もありますので町家は特殊な間取りではありますが、決して不便というわけではありません。

町家内は土壁や風の通り道によりうまい具合に調湿され、居住スペースではいつでも坪庭の自然を楽しめる間取りです。

これは町家に共通する間取りになりますので、ほとんどの町家でこのメリットを得られると言えるでしょう。(もちろん例外もございます。)

京町家は元々お店も兼ねていたものもあり、そういった意味では商売と居住スペースを両方得られる間取りとも言えます。

今なら町家の空き家問題もありますのでひょっとすると良い町家と巡り合う事も可能かもしれませんね。

 
 

現在の家の間取りについて

京都駅

現在の家の間取りは居住者のライフスタイルに合わせてかなり柔軟に造る事ができるようになりました。

更に現代では空調や空気清浄機の発達により町家のようにその土地の自然を利用することも少なくなっています。

それよりもセキュリティ面やプライバシー保護の観点から室内が見えづらい間取りになっている事が多いです。

玄関から居間が見えるお家は今はほとんどないのではないでしょうか?

居間などのリラックススペースはほとんど2階や上の階である事が多いですし1回はお風呂場や物置である事がほとんどな印象です。

また二世帯住宅も多く1つの家に二世帯が居住できるようにしているのでそれぞれのスペースが全く違った間取りになる場合もあります。

このように現代では本当に柔軟性に特化できるようになっており、費用さえ問題なければほとんど理想の家が建てられるでしょう。

 
 

まとめ

町家が当時の自然や環境、状況に合わせて造られた間取りであるのなら現代の間取りは居住者に全て合わせる事ができる間取りと言えます。

もちろん当時の方々もある程度は理想的な造りにしていたでしょうがそれでも知恵を絞って何とか快適に過ごせるように工夫した造り、間取りにしていました。

そういった意味では現代は本当に恵まれているかと思います。

しかしそういった自身の理想内では体験できないメリットもあると言えます。

それは嬉しい誤算と言いますか、予期しない影響がある事です。

例えば完全にエアコンによる空調管理では外の香りや湿度などを感じる事ができません。

つまり自然を感じる事が出来なくなる事が多くなるわけです。

もちろん自然にもデメリットは存在するので全て良いとまでは言いませんが、やはり人間は自然がなければ生きていけません。

実際の研究結果でも人間が自然によりリラックス効果が高まる事も証明されているそうです。

そういった意味では町家は今もなお自然と一体化できる間取りと言えるのではないでしょうか?

完璧に管理された間取りも大切です。

しかしたまには息抜きに少しだけ嬉しい誤算を感じてみませんか?

nao炬乃座(なおこのざ)ではそんな自然を感じる嬉しい誤算を体感して頂ける町家となっております。