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京の宿日記

京都や日本全国に現存する町家

2021-05-09

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古い(もしくは長い)家と一括りに言ってしまえば町家も古民家も同じ日本に現存する家です。

しかしそれら古民家と町家の特徴や違いは古く長く、現存するだけなのでしょうか?

実は古民家と町家だけでも実は違いを持っています。

現存する古民家は築50年以上の木造軸組工法(伝統的な建築工法)で建てられており茅葺、草葺き、日本瓦葺きいずれかの屋根、土間、太い柱と梁を持つというのが国の文化財登録制度の基準だそうです。

※あくまでも基準だそうなので定義と言うと少し強すぎる表現になるそうです。

続いて町家ですが、お店と家が併設された古民家という古民家の中でのカテゴリーの位置付けです。

そして京都では京町家と呼ばれており京都市の「京町家認定」では明確な基準があります。

その京町家認定の基準を一部ですが、ご紹介させていただきます。

  • 瓦ぶきの屋根
  • 隣地に接する外壁又は高塀
  • 次のいずれかに掲げる形態⇒通り庭(道に面した出入口から続く細長い形状の土間をいう。),火袋(細長い形状の吹き抜け部分をいう。),坪庭又は奥庭
  • 次のいずれかに掲げる意匠⇒通り庇(道に沿って設けられた軒をいう。),格子(伝統的な様式のものに限る。)

その他にも築年数や改装してはならない箇所など細かいルールが明確に決められているので京町家認定を取るのは意外と難しいのです。

このように同じ現存している古民家や町家でも結構違いがあるのをお分かり頂けたらかと思います。

今回はそんな現存する京都やその他の町家についてお話させて頂きます。

 
 

日本全国に現存する町家

京町家というのは京都の町家という意味です。

つまり京都以外にも町家は現存しており、その特徴や性質も様々です。

以前にもご紹介させて頂いた坪庭や玄関の性質(鰻の寝床)などは他の町家にはない場合もあるのです。

ちなみに簡単に説明させて頂きますと、京都に現存する町家のほとんどは坪庭がございます。

この坪庭こそが京都に現存する町家の一番の特徴と言ってもいいかもしれません。

何故坪庭があるのかというと

京都の町家では玄関口が狭く奥まった造りになっている事が多く、隣家とほとんど隙間なくぴったりと建てられている事が一番の要因です。

これにより奥の居間では日の光が入りづらく、湿気も溜まりやすくなるわけです。

それを坪庭を町家の奥に作る事で日の光と空気の流れを町家内に取り入れる為に造られました。(それ以外にももちろん用途はありますが。)

これが京都に現存する町家に坪庭がほとんどある理由です。

さてこれが他の地域になるとどうなるでしょうか?

京町家では京都に合わせた造りになっています。

京都の高温多湿という気候の性質がありましたが、これが北の方へ向かうとどうなるでしょう?

当然東北などでは京都よりも気温が低かったりしますよね?

さらに日本海側や雪の多い地域では京町家だと快適に過ごせません。

日本全国に町家が現存してはいるものの同じ町家でもその性質は全く異なるわけですね。

その性質や地域の色に合わせて変化しながら現存する町家はやはり歴史と文化を体現していると言っても過言ではありません。

そういったそれぞれの現存する町家の造りに着目すると更にその地域や文化に触れられるのです。

その他の地域で現存する町家の特徴

例えば沖縄の現存する町家では京都よりも高い気温や強風が特徴的です。

なので遮熱と強風にも飛ばされないように瓦の屋根が採用されています。

かやぶきの屋根もあるそうですが多くの場合はこれに石垣に囲われた状態の家が沖縄には多くあります。

逆の方面へ行ってみましょう。

東北に現存する町家の場合は囲炉裏や掘りごたつが人気です。

寒い地域なので火を屋内で使えるようになっているわけですね。

また屋根は茅葺屋根が多い印象です。

茅葺屋根の密集された茅葺が雨や雪を下に落としてくれる効果があります。

更に熱を伝えにくい為、寒い地域では瓦よりもこちらが主流だったのでしょう。

 
 

日本全国に現存する町家のまとめ

今回は日本全国に現存する町家についてお話させて頂きました。

いかがでしたでしょうか?

京都の高温多湿な性質に沿った造りが京町家の個性と文化という事があるように沖縄や東北等もそれぞれの地域の特色に合わせて町家の造りも変化していくのです。

今では高性能な家電や様々な環境に適応できるように家の材質も高品質なものが多くある意味では力技で快適な生活環境を得ています。

それが悪いことではありませんが、時には昔の文化や歴史の工夫を知り、お住まいの地域の特色を感じてみるのもいいかもしれません。

どこか懐かしい自然とまた触れ合う良い機会になるかもしれません。

nao炬乃座(なおこのざ)の町家も同じく京都に現存する町家ですが、快適にお過ごし頂ける最低限の家具家電付きです。

つまり昔の歴史と文化に触れ合いながら快適にお過ごし頂けます。

現代の快適性とどこか懐かしい自然と歴史と文化に触れ合いながら京都をご堪能頂ける施設がnao炬乃座(なおこのざ)なのです。

少しでも興味をお持ちになりましたらぜひお気軽にお越しくださいませ。